風邪は薬で治るのか?

風邪薬

 風邪は正式には「急性上気道炎」といい、鼻から声帯までの部位が、主にウィルスなどに感染し炎症を起こした状態をいいます。
 症状としては、のどの痛み、発熱、せき、鼻汁など風邪の症状がでたことで病院に行く人もいると思いますが、多くは、ウィルス感染が原因であり、抗生物質は効きません。風邪の病原微生物を抑え込む根本治療薬は、インフルエンザウィルスに対する「タミフル」などのを除いては、ほとんど存在していないというのが現状です。

風邪のウイルスは200種類以上

 原因となるウイルスは200種以上、普通感冒の代表的なウイルスであるライノウイルスだけで100種類以上あります。

風邪の原因となる主なウィルス
ライノウィルス 風邪の代表的なウィルスで、秋から春にかけて多く発生し、鼻風邪(軽度の上気道感染)を起こします。重症化すると、ぜんそくを悪化させたり、幼児、高齢者は肺炎、気管支炎などをもたらすこともある。
アデノウイルス 咽頭炎、結膜炎、胃腸炎などを起こす原因ウィルスで、型によっては重症な肺炎を起こすこともある。年間通じて発生するが、夏季にプールを介して感染する型もある。
インフルエンザウィルス 11月~4月に多く発生し、感染力が強いため広い範囲で流行することがある。通常の風邪の症状に加えて、高熱、筋肉痛や関節痛などの全身症状が出るのが特徴。

風邪薬はあくまで症状の緩和

 市販の風邪薬も病院で処方される薬でも、咳には咳止め、熱には解熱剤、鼻汁には抗ヒスタミン剤というように、あくまで風邪の症状を緩和させるものに過ぎません。

普通の風邪であれば、温かくして安静を保ち、十分に水分と栄養を取っていれば、3日もすれば熱は下がり大抵は自然に快方に向かいます。薬は症状によって飲んでもよいとは思いますが、風邪を根本治療できるわけではないので、早く治したいのであれば、安静と栄養など日常の生活行動に気を配ることが早道です。

解熱剤服用のタイミング

 風邪をひくと熱が出る場合も多いですが、熱は体が体温を上げ免疫活動を活発化しウィルスを排除しようとしている防御機能の結果なので、無理に熱を下げることは体がウィルスを排除しようとする働きを妨げることになってしまいます。

 では、熱が出ても解熱剤も飲まず安静にしていればよいかといえば、必ずしもそうとは言えません。発熱により食事もとれない状態が続くと体力が消耗し、逆に回復が遅くなるという可能性もあります。
 そのような場合には、解熱剤を飲んで熱を下げ食欲を回復したほうが、結果的に風邪を早く治せることも多いので、熱により体が衰弱していると感じているのなら、解熱剤の服用も考えましょう。逆に、熱はあるがそれほど辛くないのであれば、むしろ解熱剤は飲まないほうがよいでしょう。

こじらせてしまったら病院へ

 普通の風邪であれば、特別な治療がなくても3日~7日程度で自然に治ってしまうものですが、「風邪は万病のもと」という言葉があるように、こじらせてしまうと思わぬ重大な病気を引き起こす可能性もあります。単に風邪だから放置しておこうと決め付けずに、症状が改善しない場合や悪化している場合には、病院にゆき診察してもらうことも大切です。

 そもそも「風邪をこじらせる」とはどういうことかといえば、その多くは風邪のウィルス感染の後に起こる最近の二次感染だと言われています。
 風邪をひくとウィルス感染によって炎症が起こり、体にもともと備わっている「免疫機能」のバランスが崩れて細菌が定着しやすくなります。それにより、細菌の進入を防ぐ機能も低下し、別の細菌に感染しやすくなります。もともと免疫力が衰えているお年寄りや、基礎疾患がある人が風邪にかかると重症化するリスクが高いのはそのためです。


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