寿命を延ばす働きをする遺伝子「サーチュイン遺伝子」

Gene counts in a variety of species
Gene counts in a variety of species / dullhunk

 サーチュイン遺伝子は、長寿遺伝子またはアンチエイジング遺伝子とも呼ばれ、その活性化により生物の寿命が延びるとされており、抗加齢医学でも注目されている遺伝子です。

 このサーチュインの作用メカニズムはマサチューセッツ工科大学生物学部のレオナルド・ギャランテ教授のグループで、このサーチュインでショウジョウバエの寿命は30%向上、線虫の寿命は50%も増加したという報告もあります。

サーチュイン遺伝子を目覚めさせる

 「サーチュイン遺伝子」は老化を遅らせ寿命をのばすものとされていますが、普段活性化していません。この「サーチュイン遺伝子」は、飢餓状態になると目覚め、細胞中のミトコンドリアを活性化させてエネルギー効率を高めます。更に、活性酸素の害を防ぎ、免疫力低下、動脈硬化、高血糖、惚け、骨粗鬆症、脱毛白髪等の老化症状を防ぎ改善して、美肌と持久力と抗がん作用を高めます。

 サーチュイン遺伝子は動物の長い飢餓の歴史の中で、飢餓対策として生まれたものとされています。生物として食料が少なくなると子孫を作ることよりも体を維持しようと働く本能から形作られてきたもののようです。

 動物実験では、与える食料を減らしてカロリーを30%前後制限するとサーチュイン遺伝子が働き、老化が遅くなることがわかっています。人間の場合は、アメリカでの実験結果によると、適正より25%カロリーを減らした食事を続けることが効果的であることがわかってきました。この実験の参加者は、サーチュイン遺伝子の働きが半年で平均1.5倍近くにアップしたということです。

 つまり、摂取カロリーを減らすことで若々しさを保ち、長生きできる可能性があるということです。

レスベラトロールでサーチュイン遺伝子を活性化

 カロリー制限というとてもシンプルな方法で活性化できる「サーチュイン遺伝子」。しかし、飽食の現代社会においてカロリーを制限するということはなかなかできず、また、子供や元々食が細く栄養が足りていない老人や女性にカロリー制限はそもそも難しいという問題もあります。

赤ワイン しかし、「サーチュイン遺伝子」の活性化はカロリー制限による飢餓状態になる他に、赤ワインに多く含まれるポリフェノールの一種、「レスベラトロール」によって活性化されるとも言われています。この「レスベラトロール」を手軽に摂取できればカロリー制限なしでも、「サーチュイン遺伝子」を活性化できることになります。

 「レスベラトロール」赤ワインに含まれますが、赤ワインに含まれる量は微量なため、赤ワインを飲んで「サーチュイン遺伝子」を活性化させようとすると、1日ボトル100本程度飲まなければならず現実的ではありません。

 「レスベラトロール」の摂取にはサプリメントで摂取することになります。米国ではレスベラトロールのサプリメントが販売され既に大ヒット商品になっているようです。

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まだ研究の途中ではある

 アンチエイジング、長寿の遺伝子として話題になっている「サーチュイン遺伝子」ですが、この「サーチュイン遺伝子」の働きについて、まだ十分解明されたとはいえません。
 サーチュインというタンパク質が寿命を延ばすという過去10年間でなされてきた多くの研究には深刻な欠陥があるという論文をロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(University College London)の研究チームが英科学誌ネイチャー(Nature)に発表しています。
 しかし、寿命延長の万能薬ではないものの「サーチュイン遺伝子」の活性化は、全般的な加齢による生理学的な衰えを遅らせ、先天性・後天性の病気の治療として有望なアプローチであることに変わりない、とのコメントもあり、「サーチュイン遺伝子」を全面否定はしておらず、その可能性は認めています。


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